まず、僕は学歴もありませんし、もちろん英語は少しも話すことができませんでした。俳優業に対しても、一つ一つ目の前のことを大切にしていきたいという想いこそあれど、世界、ハリウッドへの挑戦なんてものは、全く目標にありませんでした。

現在はというと、絶賛、ハリウッドに挑戦中でございます。一年二ヶ月前、世界ナンバーワンのエージェントであるCAAと契約をしており、その時から僕の英語学習は始まりました。

CAAとの契約のきっかけは、TOKYOVICE/HBOmaxのオーディションに受かり、錚々たるメンバーの中で、唯一無名の僕がメインを飾り、華々しい海外デビューを飾りました。今作への出演が決まったのが丁度三年前になります。日本の連続ドラマへの出演が決まっていたこともあり、数日間徹夜で撮影をしたりしていました。もちろんこの時も、英語の学習は一切しておりません。『セリフほ覚えればいい。そもそも今から勉強しても無駄だ』そんなことを思っていました。

そして地獄のような撮影が終わり、僕は今まで通り、日本の芸能界へ戻って参りました。しかし、TOKYOVICEを強い刺激の中八ヶ月間撮影していましたので、なんだかぽっかり穴が空いたような気持ちになりました。燃え尽き症候群とでも言いましょうか。

それから一年と少しが経ち、アメリカでTOKYOVICEが放送されました。世界中からたくさんの連絡をもらい、沢山の仕事の問い合わせが来ました。その中で、CAAとの契約も決まりました。今はただ運が良かったと思います。しかし、この時は人生最大に調子に乗っていました。

そんな中、一人のおばあちゃんと話をしました。この人は世界的なヒット作品を作っている方で、とても凄い人らしいです。一時間話したいと言われたので日本では朝、アメリカでは夜の時間に、約束をしました。いつもの様に通訳を付けて、英語などは一切話す気はありませんでした。日本語で簡単な自己紹介をしていると開始2分ほどでおばあちゃんは僕の話を遮りました。『そんな英語レベルでは世界には出れない、それにあなた一つも勉強してないでしょ』

僕は図星すぎて何も言い返せず、彼女はとてつもなく長いタバコを吸い出して、大きく溜息を吐いて『結局みんな過信して消えていく。自分が何者かのように誤解してしまうの』と残念そうに言っていました。耐えられず下を見ながら、深呼吸をして、PCの画面を見つめ直します。画面は真っ暗で情けない僕の顔だけが鮮明に映っていました。今でも恥ずかしく思っております。

CAAとの契約をし、世界中の超有名プロデューサー達からミーティングを申し込まれました。どんなすごい世界的な彼らも本人を、僕を前にしては甘い言葉しか言いません。悔しくて、数日間は不貞腐れていました。

ここから、僕の英語学習がはじましました。まずは中学英語の文法を勉強し、次は基本単語を、そして高校英語、オンライン英語をやるも全く何を言っているのか分からず、簡単な英語の本を読みながら構造に触れて、ポッドキャストなどを聞き流し、自分の言いたいことを書き起こし、その様な感じで学習をしております。

最近三ヶ月くらいは、オンライン英会話を毎朝一時間続けています。単語や表現力が乏しいので、四日前からそちらのアプリも購入し40分、聞き流しとシャドウイングで40分、読書で40分という英語学習の仕方で頑張っております。

そして本日の朝、現在オーディションを受けている海外作品があり、幸運にも最終審査に進み、監督とお話しする機会をいただきました。細かい話こそ通訳を通しましたが、簡単な会話に関しては、ほんの少しではありますが成長を実感しております。

簡単なことではありませんが、毎日の積み重ねでどこまでも行けるのか、僕はワクワクしております。英語で自己紹介ができるまで3年かかりましたが、『よー、アメリカのおばあちゃん、マジで逃がさないからな』という思いでこれからも精進していきたいと思います。少しも寒くないわ、と。

本日21時から、BSよしもとにてくるま温泉チャンネルもよろしくお願いします。